メタルヒーローシリーズは、1980年代の日本で制作された特撮テレビドラマシリーズです。宇宙刑事シリーズを皮切りに、宇宙、レスキュー、忍者など、様々なテーマを扱い、当時の子供たちを夢中にさせました。本記事では、昭和に放送されたメタルヒーロー作品を振り返り、その魅力を再発見します。
はじめに:メタルヒーローとは?
メタルヒーローシリーズは、東映が制作した特撮テレビドラマシリーズの一つで、金属の鎧をまとったヒーローが活躍する作品群です。宇宙刑事シリーズの成功を機に、様々なコンセプトの作品が制作され、子供たちの心を掴みました。その魅力は、個性豊かなヒーローたち、迫力のあるアクション、そして子供たちの心を熱くするストーリーにあります。また、高度経済成長を経て、未来への希望と不安が入り混じる時代に、子供たちの心を掴んだ作品群としても、特筆すべき存在です。
昭和メタルヒーロー年表
放映期間 | 作品名 |
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1982年3月5日 – 1983年2月25日 | 宇宙刑事ギャバン |
1983年3月4日 – 1984年2月24日 | 宇宙刑事シャリバン |
1984年3月2日 – 1985年3月8日 | 宇宙刑事シャイダー |
1985年3月15日 – 1985年12月27日 | 巨獣特捜ジャスピオン |
1986年4月4日 – 1987年3月27日 | 時空戦士スピルバン |
1987年3月16日 – 1988年1月17日 | 超人機メタルダー |
1988年1月24日 – 1989年1月22日 | 世界忍者戦ジライヤ |
宇宙刑事シリーズ:メタルヒーローの幕開け
メタルヒーローシリーズの幕開けを飾ったのが、宇宙刑事シリーズです。宇宙刑事ギャバンを筆頭に、宇宙犯罪組織に立ち向かうヒーローたちの活躍を描き、その後のメタルヒーローシリーズの基礎を築きました。派手なアクションシーンや、宇宙を舞台にした壮大なストーリーは、当時の子供たちに大きな衝撃を与えました。
宇宙刑事ギャバン
地球人の青年・一条寺烈が、銀河連邦警察の宇宙刑事ギャバンとして、宇宙犯罪組織マクーと戦います。「蒸着:特殊なエネルギーフィールドを発生させ、強化スーツを装着するプロセス。」と呼ばれるプロセスで強化スーツを装着し、愛車サイバリアンを駆使して悪に立ち向かう姿は、当時の子供たちの憧れとなりました。特に、レーザーブレードを用いたアクションシーンは、当時の特撮作品の中でも斬新なものでした。宿敵ドン・ホラーとの激しい戦いは、多くの視聴者の記憶に残っています。第1話での蒸着シーンは、その後のメタルヒーローシリーズの変身シーンの雛形となりました。
主人公 | 一条寺烈(演:大葉健二) |
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変身コード | 蒸着 |
主な武器 | レーザーブレード |
愛車 | サイバリアン |
敵組織 | 宇宙犯罪組織マクー |
主な敵キャラクター | ドン・ホラー |
印象的なエピソード | 第1話「東京地底の怪要塞」での蒸着シーン |
宇宙刑事シャイダー
「不思議界フーマ」の侵略に立ち向かう宇宙刑事シャイダーこと沢村大の活躍を描きます。「焼結:プラズマエネルギーと金属を融合させ、強化スーツを装着するプロセス。」と呼ばれる変身プロセスを持ち、青いボディが特徴です。パートナーであるアニーと共に、様々な作戦で地球を侵略しようとするフーマに立ち向かいます。敵組織フーマの首領である大帝王クビライは、圧倒的な存在感でシャイダーを苦しめ、ヘスラー指揮官などの幹部も個性的な作戦でシャイダーを翻弄しました。シャイダーは、他の宇宙刑事シリーズと比較して、よりSFファンタジー色が強く、敵組織フーマのユニークな作戦や、アニーとのコミカルな掛け合いも魅力の一つです。
主人公 | 沢村大(演:円谷浩) |
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変身コード | 焼結 |
主な武器 | レーザーブレード |
敵組織 | 不思議界フーマ |
主な敵キャラクター | 大帝王クビライ |
印象的なエピソード | 第44話「吹き荒れる大侵略」 |
メタルヒーロー黄金期:多彩なヒーローたちの登場
宇宙刑事シリーズの成功を受け、メタルヒーローシリーズは黄金期を迎えます。宇宙を舞台にした物語だけでなく、巨大ロボットとの合体、異星人との交流、忍者との戦いなど、多彩なテーマが取り入れられ、作品ごとに異なる魅力を持つようになりました。この時期の作品群は、メタルヒーローシリーズの多様性を確立し、後続作品に大きな影響を与えました。
巨獣特捜ジャスピオン
主人公 | ジャスピオン(演:黒崎輝) |
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巨大ロボ | ダイレオン |
敵組織 | サタンゴース |
主な敵キャラクター | マッドギャラン |
時空戦士スピルバン
地球の真水を狙うワーラー帝国に対し、故郷クリン星を滅ぼされた幼馴染の城洋介とダイアナが立ち向かう物語です。14年前、ワーラー帝国の急襲によりクリン星は滅亡。生き残った人々は宇宙を彷徨った後、幼い洋介とダイアナに希望を託し、地球へと送り出しました。12年の眠りの中で地球の知識と戦士としての訓練を受けた2人は、ワーラー帝国の野望を阻止するため、そして捕らわれた父ベンと姉ヘレンを救出するために戦います。しかし、父と姉は敵として現れるという過酷な運命が彼らを待ち受けていました。
主人公 | 城洋介(演:渡洋史) |
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変身コード | 結晶 |
敵組織 | ワーラー帝国 |
主な敵キャラクター | 女帝パンドラ |
超人機メタルダー
第二次世界大戦末期に作られた人造人間・剣流星が、40年の眠りから目覚め、ネロス帝国と戦う物語です。他のメタルヒーロー作品とは異なり、ミリタリー色の強い作風が特徴です。剣流星は、生身のアクションを主体とした戦闘スタイルを持ち、ヨロイ軍団との激しい戦いを繰り広げました。人間と機械の狭間で苦悩する剣流星の姿は、視聴者の心を打ちました。
主人公 | 剣流星(演:妹尾洸) |
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敵組織 | ネロス帝国 |
主な敵キャラクター | 帝王ゴッドネロス |
世界忍者戦ジライヤ
戸隠流忍者の末裔・山地闘破が、磁雷矢(ジライヤ)の鎧をまとい、妖魔一族と戦う物語。忍者とメタルヒーローという異色の組み合わせが話題となりました。世界各地の忍者が登場し、国際色豊かな展開が繰り広げられました。敵組織である妖魔一族の首領・鬼忍毒斎は、強大な力でジライヤを苦しめました。
主人公 | 山地闘破(演:筒井巧) |
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主な武器 | 磁光真空剣 |
敵組織 | 妖魔一族 |
主な敵キャラクター | 鬼忍毒斎 |
メタルヒーローが与えた影響と現代への継承
引用元:東映ビデオ株式会社
メタルヒーローシリーズは、その後の特撮作品に大きな影響を与えました。特に、宇宙刑事シリーズは、その後のレスキューポリスシリーズや、平成仮面ライダーシリーズなどに、刑事ドラマの要素や、スタイリッシュなアクションシーンといった影響を与えています。また、メタルヒーローシリーズで描かれた、友情や正義といったテーマは、現代の特撮作品にも受け継がれています。
近年では、過去のメタルヒーロー作品のリブート作品や、客演なども行われており、その人気は世代を超えて受け継がれています。例えば、『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』などのリブート作品や、『海賊戦隊ゴーカイジャー』への客演などが挙げられます。玩具展開やイベント開催なども、過去の作品を現代に伝える重要な要素となっています。
おわりに
昭和の時代を彩ったメタルヒーローシリーズは、子供たちに夢と希望を与え、多くの人々の記憶に深く刻まれています。宇宙刑事シリーズからジライヤまで、それぞれの作品が持つ個性と魅力は、今なお色褪せることなく、私たちを魅了し続けます。本記事を通して、メタルヒーローシリーズの魅力を再発見し、再びその世界に触れるきっかけとなれば幸いです。
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