昭和のファッションは、時代ごとに大きく変化し、その時々の流行が色濃く反映されていました。1960年代のモダンファッション、1970年代のヒッピースタイルやニュートラ、1980年代のボディコンやDCブランドブームなど、昭和のファッションは今振り返っても魅力的なスタイルばかりです。
この記事では、昭和のファッションの変遷を振り返りながら、当時のトレンドやアイテムを詳しく紹介していきます!
1. 1960年代:モダンファッションとミニスカートの登場
1960年代は、戦後の高度経済成長により、日本のライフスタイルが大きく変わった時代。この頃のファッションには、ヨーロッパやアメリカの影響が色濃く表れ、日本独自のファッションカルチャーが形成され始めました。
ミニスカートブームとツイッギーの登場
引用元:Vogue Japan
1965年頃、イギリスのファッションモデル ツイッギー(Twiggy) の登場により、世界的に「ミニスカートブーム」が巻き起こりました。日本でも瞬く間に流行し、若い女性たちがこぞって膝上丈のスカートを履くようになりました。
- 当時の人気ブランド・ショップ
- マリー・クワント(Mary Quant):ロンドン発のミニスカートブランド。
- 銀座のデパートやブティック:最新のミニスカートが並び、若い女性がショッピングを楽しんだ。
- 日本のファッション誌「an・an」「non-no」 もミニスカートを特集。
銀座の歩行者天国では、「銀座のミニスカ娘」 という言葉が生まれるほど、ミニスカートを履いた女性が増えました。当時の日本では「膝を出すことが大胆」とされる文化がありましたが、若い世代を中心にこのスタイルは大流行しました。
モノトーンのモード系ファッション
1960年代後半には、フランスのデザイナー イヴ・サンローラン の影響を受けたモノトーンスタイルも流行しました。
- 特徴的なスタイル
- 白と黒のコントラストが効いたモダンなデザイン。
- 幾何学模様や直線的なデザインが多用された。
- オードリー・ヘップバーン風のスタイル が人気(タートルネック+Aラインスカート)。
ワンピース&Aラインコート
1960年代は、ワンピースが大流行した時代でもありました。
- 特徴的なデザイン
- Aラインワンピース(裾が広がった女性らしいデザイン)。
- チェック柄やカラフルなプリント が人気。
- 冬は「Aラインコート」や「ピーコート」と組み合わせるのが定番。
ビートルズファッション(細身スーツ&ブーツ)
引用元:Philip Champion Ring and College Ring
男性ファッションでは、1964年のビートルズ来日を機に「ビートルズスタイル」が流行。
- 細身のスーツ+タートルネック+ブーツ というスマートなスタイル。
- 「アイビールック」(ブレザー+ボタンダウンシャツ+スラックス)も人気。
- 「マッシュルームカット」(ビートルズ風の丸みのある髪型)も大流行。
ファッションの大衆化と百貨店ブーム
この時代には、銀座や新宿の百貨店がファッションの発信地となり、最新の流行が次々と生まれました。
- 松屋銀座、伊勢丹新宿、小田急百貨店 などが若者向けファッションの中心。
- 「平凡」「明星」「an・an」などの雑誌 が流行の発信源に。
- 日本国内でも、ブティックが次々と誕生し、個性的なスタイルが広まる。
1960年代のファッションのまとめ
1960年代は、海外の影響を受けながらも、日本独自のファッション文化が生まれた時代でした。
- 女性はミニスカート+Aラインコート+ロングブーツが定番。
- 男性はビートルズ風スーツ+マッシュルームカットが流行。
- 百貨店やファッション雑誌がトレンドを牽引。
この時代のファッションは、現在のレトロブームでも注目されるほど、今でも魅力的なスタイルとして語り継がれています。
2. 1970年代:ニュートラ、ヒッピースタイル、カジュアル化の進展
1970年代になると、ファッションの多様化が進み、個性的なスタイルが次々と登場しました。女性の社会進出が進んだことや、アメリカのカウンターカルチャーの影響を受け、自由でナチュラルなスタイルが流行するようになりました。
ニュートラ(ニュートラッド)ファッションの台頭
引用元:JJ
1970年代前半、日本の女子高生や若い女性の間で「ニュートラ(ニュートラッド)」と呼ばれるプレッピースタイルが大流行しました。
- 代表的なアイテム
- Vネックのセーター+チェック柄スカート
- ローファーやレースアップシューズ
- ポロシャツ+カーディガンの重ね着
- 人気ブランド・ショップ
- VAN Jacket(ヴァンヂャケット):アイビースタイルの代表格。
- JUN(ジュン):清潔感のあるカジュアルウェアで人気。
- Pink House(ピンクハウス):可愛らしいワンピースやフリルが特徴。
このスタイルは、上品で清楚な印象を与えるため、学生やOLの間で広く支持されました。
ヒッピースタイルと自由なファッションの流行
1970年代のアメリカで流行した「ヒッピースタイル」も日本に上陸し、若者の間で個性を重視するファッションが流行しました。
- 代表的なアイテム
- フリンジ付きのベストやバッグ
- エスニック柄のシャツやスカート
- サイケデリック柄のワンピース
- ベルボトム(フレアパンツ)
- ヒッピー文化の影響
- 「自由な生き方」を象徴するスタイル。
- 音楽フェスや野外イベントで広まる。
- カラフルな柄や刺繍、ハンドメイドの服が人気に。
カジュアルウェアの一般化とジーンズの定番化
1970年代は、カジュアルウェアが日常着として完全に定着した時代でもありました。
- ジーンズブームの到来
- リーバイス501やラングラーのジーンズが流行。
- 学生を中心に、ジーンズ+スニーカーのスタイルが定番化。
- Tシャツ文化の広がり
- ブランドロゴやメッセージプリントのTシャツが登場。
- 古着ブームの火付け役となり、ユーズドデニムやヴィンテージTシャツが人気に。
アメリカンカジュアル&スポーツファッションの流行
1970年代後半には、「アメリカンカジュアル(アメカジ)」の影響を受け、カジュアルなスポーツファッションが広まりました。
- 主な流行アイテム
- スウェットシャツ+デニムパンツ
- スタジャン(スタジアムジャンパー)
- アディダスやナイキのスニーカー
- チャンピオンのリバースウィーブパーカー
このスタイルは、80年代の「渋カジ(渋谷カジュアル)」へとつながる流れを作りました。
1970年代のファッションのまとめ
引用元:NYLON JAPAN
1970年代は、「個性を表現する自由なファッション」が広がった時代でした。
- 学生の間では「ニュートラ」スタイルが定番。
- 若者の間ではヒッピースタイルやエスニックファッションが流行。
- ジーンズやTシャツなどのカジュアルウェアが日常着に定着。
- アメリカンカジュアル&スポーツファッションが後の流行につながる。
この時代のファッションは、今でもヴィンテージブームやストリートファッションのルーツとして親しまれています。
3. 1980年代:ボディコン&DCブランドブームの到来
1980年代は、日本がバブル経済の絶頂期を迎えた時代。その影響もあり、ファッションはより華やかで、自己主張が強いスタイルへと進化しました。
ボディコン(ボディ・コンシャス)ファッションの大流行
引用元:X-@TokyoFashion
バブル時代を象徴するファッションといえば、ボディコン(ボディ・コンシャス)スタイル。体のラインを強調するピタッとしたワンピースやスーツが女性たちの間で流行しました。
- 代表的なアイテム
- 肩パッド入りのタイトワンピース
- ラメやメタリック素材のドレス
- カラフルなボディスーツ+ミニスカート
- 網タイツやスパンコール付きのパンプス
- 人気ブランド・ショップ
- アルマーニ・エクスチェンジ:エレガントなボディコンスタイル。
- エマニュエル・ウンガロ:光沢のある素材や大胆なカットのデザインが特徴。
- キャバクラ風の「ジュリアナスタイル」 もこの時代に誕生。
この時代の女性たちは、ディスコやナイトクラブで煌びやかなボディコンファッションに身を包み、「ジュリアナ東京」などのクラブで豪華なパーティースタイルを楽しんでいました。
DCブランドブームと個性派ファッションの台頭
引用元:山田耕史のファッションブログ
1980年代後半になると、「DCブランド(デザイナーズ&キャラクターズブランド)」が爆発的な人気を誇りました。個性的なデザインや洗練されたファッションが若者の憧れとなり、「ブランドを身にまとうこと=おしゃれ」 という価値観が広まりました。
- 代表的なDCブランド
- コム・デ・ギャルソン(Comme des Garçons)
- ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)
- イッセイミヤケ(Issey Miyake)
- KENZO(ケンゾー)
- BIGI(ビギ)
- ニコル(NICOLE)
DCブランドの服は高価でしたが、ファッションに敏感な若者たちはこぞって購入し、ブランド志向が加速しました。
渋カジ&プレッピースタイルの登場
引用元:CRESCENT EYES
1980年代後半には、「渋カジ(渋谷カジュアル)」と呼ばれるファッションが登場しました。
- 代表的なアイテム
- Gジャン+チノパン+ローファー
- ラルフローレンやポロのポロシャツ
- スウェット+デニムのラフなスタイル
このスタイルは、1990年代のカジュアルファッションの流れを作る先駆けとなりました。
1980年代のファッションのまとめ
1980年代は、日本のバブル経済とともに、華やかで派手なファッションが全盛を迎えた時代でした。
- 女性はボディコンファッションでゴージャスに。
- 若者の間ではDCブランドブームが到来し、個性的なファッションが流行。
- 渋カジやプレッピースタイルが登場し、カジュアルファッションも進化。
バブルの終焉とともに、1990年代に入るとファッションの流行も次第に変化していきます。
4. 昭和ファッションの魅力と現代への影響
昭和のファッションは、単なる流行ではなく、現在のファッションシーンにも大きな影響を与え続けています。1960年代から1980年代のトレンドは、時代を超えて受け継がれ、現代のファッションにも取り入れられています。
レトロブームと昭和ファッションの再評価
引用元:Oggi.jp
近年、昭和ファッションのエッセンスが再び注目を集め、「レトロブーム」として若い世代にも広まっています。
- ミニスカート&Aラインワンピースの復活
- 1960年代に流行したミニスカートやAラインワンピースが、現在のファッションブランドでも再登場。
- モノトーンのモード系ファッションが、洗練されたクラシックスタイルとして再評価。
- ベルボトム&フレアパンツのトレンド再来
- 1970年代のヒッピースタイルに代表されるベルボトムやフレアパンツが、今のストリートファッションでも人気。
- ヴィンテージデニムやレトロな柄シャツと組み合わせるスタイルが流行。
- ボディコン&オーバーサイズの融合
- 1980年代のボディコンスタイルは、現在のタイトシルエットのワンピースやスポーティなレギンススタイルに影響。
- 肩パッド入りジャケットやオーバーサイズのシルエットが、再びおしゃれアイテムとして定着。
ヴィンテージファッションと昭和ブランドの人気
昭和のブランドや当時のアイテムが「ヴィンテージファッション」として再評価され、フリマアプリや古着屋で高値で取引されることも増えています。
- 人気の昭和ブランド
- コム・デ・ギャルソン(Comme des Garçons) や ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto) のヴィンテージアイテムが海外でも人気。
- ラルフローレンやポロの古着 が、レトロなプレッピースタイルとして再ブーム。
- バブル期のハイブランドバッグ(ルイ・ヴィトン、シャネル) も若い世代の間で流行。
昭和のファッションを取り入れるコーディネート術
昭和のファッションを今風に取り入れるには、レトロとモダンをバランスよく融合させるのがポイントです。
1. 1960年代風コーデ
- Aラインワンピース+ロングブーツ+モノトーン配色。
- ツイード素材のジャケットを羽織ってクラシックな雰囲気に。
2. 1970年代風コーデ
- フレアパンツ+ヴィンテージシャツでレトロなスタイル。
- フリンジバッグやエスニック柄のスカートをアクセントに。
3. 1980年代風コーデ
- オーバーサイズのジャケット+スキニーパンツでモダンボディコン。
- ビビッドカラーのアイテムを取り入れてバブル風アレンジ。
まとめ:昭和ファッションは時代を超えて愛される
昭和のファッションは、ただ懐かしいだけでなく、今でもおしゃれの参考になる要素がたくさん詰まっています。
- 60年代のクラシックモード、70年代の自由なカジュアル、80年代のゴージャスなスタイルは、現代のファッションに影響を与え続けている。
- ヴィンテージブームの影響で、昭和ブランドのアイテムが再評価されている。
- レトロファッションを現代のスタイルに落とし込むことで、新しいおしゃれが楽しめる。
あなたはどの時代のファッションが一番好きでしたか? コメントでぜひ教えてください!
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