夕焼け空の下、テレビにかじりついて夢中で見ていたあの頃…。
ブラウン管に映し出されるヒーロー、仮面ライダーと、彼らに挑む個性豊かな怪人たち。50代のあなたなら、きっと鮮明に覚えているはずです。今回は、昭和ライダーを彩った怪人たちを徹底解剖。懐かしい記憶を呼び起こすとともに、デザインの変遷や声優たちの名演など、新たな発見もお届けします。
はじめに – 昭和ライダーと怪人たちの時代
引用元:仮面ライダー公式サイト
1971年に放送開始された『仮面ライダー』は、瞬く間に子供たちの心を掴み、社会現象となりました。高度経済成長期、一家に一台テレビが普及し始めた時代。夕食時には家族揃ってテレビを囲み、子供たちはブラウン管を通して様々な物語に触れ、ヒーローへの憧れや夢を膨らませていました。そんな時代に現れた等身大ヒーロー、仮面ライダー。悲しみを背負った改造人間という、それまでのヒーロー像とは一線を画す設定、そしてバイクに跨り悪と戦う異形の姿は、子供たちの心を鷲掴みにしました。必殺技であるライダーキックは、誰もが真似をした憧れの技でした。
引用元:仮面ライダー公式サイト
そして、仮面ライダーの物語を彩ったのは、個性豊かな怪人たちです。動物や昆虫をモチーフにした怪人、奇怪な能力を持つ怪人、そして仮面ライダーと深い因縁を持つ怪人など、そのバリエーションは多岐に渡ります。彼らは、子供たちにとって恐怖の対象であると同時に、どこか惹かれる魅力的な存在でもありました。当時、怪人図鑑を何度も見返した、という方も多いのではないでしょうか。特に、その奇抜なデザインは、子供たちの心を掴み、後の特撮作品だけでなく、アニメやゲームなど、様々な分野に影響を与えました。
悪の軍団-各作品を彩った怪人たち
引用元:仮面ライダー公式サイト
昭和ライダーシリーズを彩ってきたのは、正義のヒーロー・仮面ライダーだけではありません。彼らに挑む悪の組織が生み出す怪人たちは、各作品の世界観を象徴し、物語に深みと彩りを与えてきました。ここでは、昭和ライダー各作品に登場する代表的な怪人たちを、その特徴や背景、デザインの変遷などを交えながら紹介していきます。
仮面ライダー(1号):1971~1973年
記念すべきシリーズ第1作『仮面ライダー』(1971年4月3日 – 1973年2月10日放送)に登場するのは、世界征服を企む悪の秘密結社・ショッカーが生み出した改造人間たちです。人間をベースに動植物の能力を組み合わせた怪人たちは、そのグロテスクな外見と人間離れした能力で、当時の子供たちに大きな衝撃を与えました。その不気味な容姿は、子供たちのトラウマになった、という方もいるほどで、特撮史に残る強烈なインパクトを与えました。
クモ男
引用元:仮面ライダー公式サイト
クモ男は、悪の秘密結社ショッカーが生み出した、最初の怪人です。その名の通り、クモの特性を備えており、後の仮面ライダーこと本郷猛を拉致し、改造人間にするきっかけを作った、重要な役割を持つ怪人と言えるでしょう。粘着性のある強靭な糸を操り、目標を捕縛したり、その糸を伝って崖を登ったりすることができます。また、口からは溶解液を含んだ矢を放ち、鋭い両手の爪で敵を攻撃します。
登場作品 | 仮面ライダー |
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初登場話 | 第1話「怪奇蜘蛛男」(1971年4月3日放送) |
所属組織 | ショッカー |
モチーフ | クモ |
能力 | 溶解液を注入する毒矢 |
声優 | 槐柳二 |
その他 | ショッカー最初の怪人 |
蝙蝠男(コウモリ男)
引用元:仮面ライダー公式サイト
蝙蝠男は、悪の組織ショッカーが生み出したコウモリの特性を持つ怪人です。両腕に備えた翼で自由に空を飛び、鋭い牙で噛みつくという、コウモリならではの能力を持ちます。また、超音波を発してショッカーのビールスに感染した人々を操ることもできます。この超音波は、人々を意のままに操る恐ろしい力を持っていました。
登場作品 | 仮面ライダー |
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初登場話 | 第2話「恐怖蝙蝠男」(1971年4月10日放送) |
所属組織 | ショッカー |
モチーフ | コウモリ |
能力 | ビールスの感染者を操る超音波、飛行 |
声優 | 峰惠研 |
さそり男
引用元:仮面ライダー公式サイト
さそり男は、悪の組織ショッカーによって改造された怪人。元々はオートバイレーサーの早瀬五郎という人物で、主人公・本郷猛のライバルでした。しかし、本郷への嫉妬心から自らショッカーに改造を志願し、サソリの能力を持つ怪人へと変貌を遂げました。
登場作品 | 仮面ライダー |
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初登場話 | 第3話「怪人さそり男」(1971年4月17日放送) |
所属組織 | ショッカー |
モチーフ | サソリ |
能力 | ハサミのような左手、操る人喰いさそり |
声優 | 池永通洋 |
蜂女
引用元:仮面ライダー公式サイト
蜂女は、悪の組織ショッカーが生み出した、記念すべき最初の女性怪人です。蜂女は、刺さった者を溶かすほどの強力な毒針を放つほか、サーベルを武器として戦います。彼女はガス製造工場の工場長を務めており、眼鏡に仕込んだ特殊装置で人々を操り、アジトに集めていました。この特殊装置から発する音は、普通の人間には聞こえませんが、改造人間である本郷猛には聞こえており、一連の蒸発事件がショッカーの仕業であることを突き止めるきっかけとなりました。
登場作品 | 仮面ライダー |
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初登場話 | 第8話『怪異! 蜂女』(1971年5月22日放送) |
所属組織 | ショッカー |
モチーフ | ハチ |
能力 | 相手を溶かす毒針、サーベル |
声優 | 沼波輝枝 |
仮面ライダーV3:1973~1974年
引用元:仮面ライダー公式サイト
『仮面ライダーV3』(1973年2月17日 – 1974年2月9日放送)に登場するのは、ショッカーの後継組織であるデストロンが生み出した機械合成怪人たちです。機械と生物を融合させたデザインが特徴で、ショッカー怪人よりもさらに強力な能力を持つ怪人たちが登場しました。また、幹部怪人の存在が強調され、組織としての戦略性も描かれるようになりました。
カニレーザー
引用元:仮面ライダー公式サイト
カニレーザーは、『仮面ライダーV3』に登場する悪の組織デストロンの大幹部、ドクトルG(ゲー)がその正体を現した姿です。頭部はカニとサソリを合わせたような独特な形状。特に目を引くのは、左腕の先端が巨大なハサミになっている点です。これは武器としても使用され、敵を挟み込むことができます。額に備わる円状の部位からは、標的を焼き尽くすほどの強力なレーザー砲を発射します。また、口からは溶解液を噴き出すことも可能です。さらに、周囲を暗闇に染める呪術的な力を行使することもでき、まさに多彩な能力を持っています。
登場作品 | 仮面ライダーV3 |
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初登場話 | 第30話『ドクトル・ゲー! 悪魔の正体は?』(1973年9月8日放送) |
所属組織 | デストロン |
モチーフ | カニ・サソリ |
能力 | 口から吐きだす溶解液、額から撃つレーザー光線、斧と盾 |
声優 | 沢りつお |
その他 | デストロン大幹部 |
カメバズーカ
引用元:仮面ライダー公式サイト
カメバズーカは、悪の組織デストロンが生み出した機械合成怪人です。亀とバズーカ砲の特性を併せ持ち、その外見は二足歩行する緑色の亀のようで、頑強な甲羅を背負っています。この甲羅には巨大なバズーカ砲が搭載されており、凄まじい威力と連射能力を誇る巨大弾丸を発射します。さらに、カメバズーカの体内には東京を壊滅させるほどの威力を持つ時限式の原子爆弾が内蔵されており、一度起動すると停止させることは不可能という、非常に危険な存在でした。倒されても爆弾が爆発するという、まさに究極の破壊兵器と言えるでしょう。
登場作品 | 仮面ライダーV3 |
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初登場話 | 第1話『ライダー3号 その名はV3!』(1973年2月17日放送) |
所属組織 | デストロン |
モチーフ | 亀、バズーカ砲 |
能力 | 背中のバズーカ砲、体内にある時限式の原子爆弾 |
声優 | 峰恵研 |
仮面ライダーX:1974年
引用元:仮面ライダー公式サイト
『仮面ライダーX』(1974年2月16日 – 1974年10月12日放送)に登場するのは、古代インカ帝国の末裔を名乗るGOD機関が生み出した合成改造人間たちです。ギリシャ神話の神々や伝説の生物をモチーフにしたデザインが特徴で、これまでのシリーズとは異なる独特の世界観を構築しています。また、主人公の神敬介が父の仇を討つという復讐劇の要素も強く描かれています。
キングダーク
引用元:仮面ライダー公式サイト
キングダークは『仮面ライダーX』に登場する悪の組織GOD機関の大幹部であり、シリーズ初の巨大ボスキャラクター。全長20メートルを超える巨大なロボットで、普段はアジトの洞窟内に横たわるように鎮座しており、その異様な姿は見る者に強烈な印象を与えます。キングダークは、その巨体そのものを武器とするだけでなく、体内に様々な武器を内蔵しています。目からは破壊光線を放ち、指先からはミサイルを発射、口からは毒ガスを噴出するなど、遠距離攻撃も得意。また、巨体を活かした格闘攻撃も強力で、まさに死角のない強さを誇ります。
登場作品 | 仮面ライダーX |
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初登場話 | 第22話『恐怖の大巨人!キングダーク出現!!』(1974年7月13日放送) |
所属組織 | GOD機関 |
モチーフ | 不明 |
能力 | 口から吐く毒ガス、目から放つ破壊光線、指先から発射するロケット弾 |
声優 | 和田文夫 |
その他 | GOD機関の大幹部 |
アポロガイスト
引用元:仮面ライダー公式サイト
アポロガイストは、悪の組織GOD機関に所属する改造人間で、秘密警察第一室長という幹部。「GODの殺人マシーン」と呼ばれるほどの高い戦闘能力を持ち、任務に失敗した部下を容赦なく処刑する冷酷さから、怪人たちからも恐れられています。アポロガイストの武器は、二つの銃口を持つ長銃「アポロショット」と、投擲武器としても使える盾「ガイストカッター」。精密な射撃とガイストカッターの投擲による遠距離攻撃を得意としますが、格闘戦もこなします。さらに、腕には強力な爆弾「アーム爆弾」を内蔵しており、自爆も辞さない覚悟を持っています。
登場作品 | 仮面ライダーX |
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初登場話 | 第8話『怪!?小地球・中地球・大地球』(1974年4月6日放送) |
所属組織 | GOD機関 |
モチーフ | アポロン |
能力 | アポロショット、ガイストカッター、アーム爆弾 |
声優 | 打田康比古 |
その他 | 秘密警察第一室長 |
仮面ライダーアマゾン:1974~1975年
引用元:仮面ライダー公式サイト
『仮面ライダーアマゾン』(1974年10月19日 – 1975年3月29日放送)に登場するのは、古代インカ帝国の秘宝を狙うゲドンと、彼らが南米アマゾンの奥地で作り出した獣人たちです。動物をモチーフにしたデザインはこれまでのシリーズと共通していますが、より野性的で凶暴な外見を持つ怪人が多く登場します。また、主人公の山本大介がアマゾンの奥地で育った野生児であるという設定が、物語に独特の雰囲気を加えています。
十面鬼ゴルゴス
引用元:仮面ライダー公式サイト
十面鬼ゴルゴスは、『仮面ライダーアマゾン』に登場する悪の秘密結社ゲドンの首領。全身が真っ赤な鬼のような異形の姿をしており、その外見は見る者に強烈な印象を与えます。右腕には、アマゾンが身に着けているギギの腕輪と対をなすガガの腕輪を装着しています。肉体には様々な能力が備わっており、下半身の巨大な口からは30万度もの火炎や溶解泡、ミサイル、液体爆弾を発射。さらに、この口から吐いた泡から獣人を生み出すことさえ可能です。その他にも、空を自在に飛行したり「ブラックオンゴールド」と呪文を唱えることで周囲を暗闇で包む呪術も身に着けています。
登場作品 | 仮面ライダーアマゾン |
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登場話 | 第1話『人か野獣か?! 密林から来た凄い奴!』(1974年10月19日放送) |
所属組織 | ゲドン |
モチーフ | 不明 |
能力 | 火炎やミサイルなどを発射する岩石の口、呪術、飛行能力 |
声優 | 沢りつお ほか |
その他 | ゲドン首領 |
獣人ヤマアラシ
引用元:仮面ライダー公式サイト
獣人ヤマアラシは、全身を覆う無数の鋭いトゲが特徴で、その攻撃的な外見どおり、接近戦ではトゲが相手に突き刺さるという危険な能力を持っています。また、身体を丸めて球状になり、高速回転しながら体当たりする攻撃は、非常に強力です。
登場作品 | 仮面ライダーアマゾン |
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初登場話 | 第6話『インカ縄文字の謎!!』(1974年11月23日放送) |
所属組織 | ゲドン |
モチーフ | ヤマアラシ |
能力 | 全身から突き出すトゲ、ボール状に変形 |
声優 | 市川治 |
仮面ライダーストロンガー:1975年
引用元:仮面ライダー公式サイト
『仮面ライダーストロンガー』(1975年4月5日 – 1975年12月27日放送)に登場するのは、世界征服を企む悪の組織ブラックサタンと、その後に登場するデルザー軍団が生み出した改造魔人たちです。昆虫や動物をモチーフにしたデザインが特徴で、ストロンガーの電気エネルギーに対抗する能力を持つ怪人も多く登場します。また、中盤からはジェネラルシャドウ率いるデルザー軍団が登場し、物語は新たな展開を見せます。
ジェネラルシャドウ
引用元:仮面ライダー公式サイト
ジェネラルシャドウは『仮面ライダーストロンガー』に登場する悪の組織ブラックサタンの大幹部の一人です。一つ目タイタンの敗北後、大首領によって魔の国から招聘されました。白いコスチュームに身を包み、血管が浮き出た頭部を透明なヘルメットで覆う異様な外見は、見る者に強い印象を与えます。後にデルザー軍団を立ち上げてからは、純白のマントを羽織るようになりました。
登場作品 | 仮面ライダーストロンガー |
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初登場話 | 第14話『謎の大幹部シャドウの出現!』(1975年7月5日放送) |
所属組織 | ブラックサタン・デルザー軍団 |
モチーフ | 不明 |
能力 | シャドウ剣とナイフ、トランプカッターやシャドウ分身をはじめとするトランプのカードを使用した数々の技 |
声優 | 柴田秀勝 |
その他 | ストロンガーの宿敵 |
奇械人ガンガル
引用元:仮面ライダー公式サイト
奇械人ガンガルは『仮面ライダーストロンガー』の第1話に登場する、ブラックサタン最初の奇械人(改造人間)です。カンガルーをモチーフにしており、上半身や尻尾にバネが巻き付いたような独特の機械的な外見が特徴です。鳴き声は「ヒュァーッ」。全身がバネで構成されているため、驚異的な跳躍力を持ち、この跳躍力を活かした「ガンガルスプリングアタック」は強力な攻撃手段です。また、パンチ攻撃も得意とします。
登場作品 | 仮面ライダーストロンガー |
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初登場話 | 第1話『おれは電気人間ストロンガー!!』(1975年4月5日放送) |
所属組織 | ブラックサタン |
モチーフ | カンガルー |
能力 | スプリングのような全身、スモールヘッドおよびガンガルバズーカ、両腕の手榴弾 |
声優 | 辻村真人 |
仮面ライダー(スカイライダー):1979~1980年
引用元:仮面ライダー公式サイト
『仮面ライダー(スカイライダー)』(1979年10月5日 – 1980年10月10日放送)に登場するのは、ネオショッカーが生み出した改造魔人たちです。原点回帰を目指した作品であり、初期のショッカー怪人を意識した動植物をモチーフにしたデザインが特徴です。また、スカイライダーが空を飛ぶ能力を持つため、飛行能力を持つ怪人も多く登場します。
ヤモリジン
引用元:仮面ライダー公式サイト
ヤモリジンは、ネオショッカーの大幹部ゼネラルモンスターの本来の姿であり、その名の通りヤモリの特性を色濃く反映した能力を有しています。まず目を引くのは、左腕がヤモリそのもののような形状をしている点です。鋭い爪を備え、接近戦ではこの爪で敵を切り裂きます。また、口内には鋭い牙が備わっており、噛みつき攻撃も繰り出します。
登場作品 | 仮面ライダー(スカイライダー) |
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初登場話 | 第16話『不死身のゴキブリジン Gモンスターの正体』(1980年1月18日放送) |
所属組織 | ネオショッカー |
モチーフ | ヤモリ |
能力 | ヤモリムチ、頭部の爆弾、ヤモリ分身の術 |
声優 | 堀田真三 |
その他 | ネオショッカー大幹部 |
ガメレオジン
引用元:仮面ライダー公式サイト
ガメレオジンは、秘密結社ネオショッカーが生み出した最初の改造人間です。カメレオンの特性を備えており、スカイライダーこと筑波洋が初めて戦った相手として、シリーズの幕開けを飾る重要な役割を担っています。スカイライダーとの戦闘では、武器である舌を巧みに操り、応戦しますが、最後はスカイライダーの必殺技「スカイキック」を受けて消滅しました。
登場作品 | 仮面ライダー(スカイライダー) |
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初登場話 | 第1話『改造人間 大空を翔ぶ』(1979年10月5日放送) |
所属組織 | ネオショッカー |
モチーフ | カメレオン |
能力 | 取り外し可能な長い舌、風景と同化する、擬態能力 |
声優 | 沢りつお |
仮面ライダーSUPER-1:1980~1981年
引用元:仮面ライダー公式サイト
『仮面ライダーSUPER-1』(1980年10月17日 – 1981年10月3日放送)に登場するのは、宇宙からの侵略者であるドグマ王国が生み出した怪人たちです。生物モチーフに加え、宇宙生物や機械的な要素を取り入れたデザインが特徴です。また、SUPER-1は状況に応じて5つのハンドチェンジを使用するため、それぞれのハンドに対応した能力を持つ怪人が登場します。
カイザーグロウ
引用元:仮面ライダー公式サイト
カイザーグロウは、悪の組織「ドグマ王国」の首魁である帝王テラーマクロが、ドグマの神「カイザーグロウ」の像から噴き出す液体を浴びる儀式を経て誕生した姿です。カラスを思わせる風貌を持ち、強力な力と不死身の肉体を持ちます。足の指からはロケット弾、クチバシからは銃弾を発射するなど、攻撃手段も多彩です。
登場作品 | 仮面ライダーSUPER-1 |
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初登場話 | 第23話『不死身の帝王テラーマクロの正体は?』(1981年3月27日放送) |
所属組織 | ドグマ王国 |
モチーフ | カラス |
能力 | 不死身の肉体、足の指から発射するロケット弾、クチバシから放つ銃弾、液体を受けていない右肩が弱点 |
声優 | 汐路章 |
その他 | ドグマ王国の支配者 |
死神バッファロー
引用元:仮面ライダー公式サイト
死神バッファローは、悪の組織「ドグマ王国」の大幹部であるメガール将軍のもう一つの姿です。元々は奥沢正人という人間でしたが、惑星開発用改造人間の手術を受けた際に失敗し、バッファローの特性を備えた異形の姿に変貌してしまいました。巨大な鎖鉄球を軽々と振り回し、大岩をも砕くショルダータックルや、頭部に備わる特殊合金製の角による一撃など、パワフルな戦闘スタイルを得意とします。
登場作品 | 仮面ライダーSUPER-1 |
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初登場話 | 第22話『怪人墓場の決闘!メガール将軍の最期』(1981年3月20日放送) |
所属組織 | ドグマ王国 |
モチーフ | バッファロー |
能力 | 30tの岩を砕くショルダータックル、特殊合金製の角、鎖鉄球 |
声優 | 三木敏彦 |
その他 | ドグマ王国の大幹部 |
仮面ライダーZX:1984年
引用元:仮面ライダー公式サイト
『仮面ライダーZX』(1984年1月3日放送)に登場するのは、過去の悪の組織の残党や怪人を結集したバダン帝国が生み出した怪人たちです。過去のシリーズに登場した怪人をモチーフにしたものや、それらを強化したものが多いのが特徴です。
バダン総統
引用元:仮面ライダー公式サイト
バダン総統は、秘密組織「バダン帝国」の首魁です。その正体は謎に包まれており、自ら表立って行動することはほとんどありません。作戦指揮は主に大幹部の暗闇大使が担当していました。後年の作品では、バダン総統はショッカーからデルザー軍団までの組織を支配した大首領や、それ以降の組織と関連を持つ存在として描かれることもあります。映画『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』では、巨大な恐竜の骸骨のような姿「骸骨恐竜」として登場し、仮面ライダーたちと戦いました。
登場作品 | 仮面ライダーZX |
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初登場話 | 『10号誕生! 仮面ライダー全員集合!!』(1984年1月3日放送) |
所属組織 | バダン帝国 |
モチーフ | 不明 |
能力 | 巨大なドクロのような姿 |
声優 | 納谷悟朗 |
その他 | バダン帝国の支配者 |
タイガーロイド
引用元:仮面ライダー公式サイト
タイガーロイドは、秘密組織「バダン帝国」に改造された三影英介が変身する怪人です。虎の特性を備え、バダン帝国の怪人の中でも屈指の実力を持ちます。遠距離攻撃と近接戦闘の両方で優れた能力を発揮し、仮面ライダーZXを苦しめました。左右の腰には機関砲、背中には3門の大砲を備え、遠距離から怒涛の銃撃と砲撃を仕掛けます。特に背中の大砲は強力で、ZXを追い詰めるほどの威力を持ちます。
登場作品 | 仮面ライダーZX |
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初登場話 | 『10号誕生! 仮面ライダー全員集合!!』(1984年1月3日放送) |
所属組織 | バダン帝国 |
モチーフ | トラ |
能力 | 左右の腰に備わる機関砲、背中の3門の大砲、怪力、牙、変形体へと強化 |
声優 | 中屋敷哲也 |
仮面ライダーBLACK:1987~1988年
引用元:仮面ライダー公式サイト
『仮面ライダーBLACK』(1987年10月4日 – 1988年10月9日放送)に登場するのは、創世王を頂点とする悪の組織ゴルゴムが生み出した怪人たちです。生物をモチーフにしたデザインはこれまでのシリーズと共通していますが、より生物的な要素が強調され、グロテスクな外見を持つ怪人が多く登場します。
創世王
引用元:仮面ライダー公式サイト
創世王は、暗黒結社「ゴルゴム」の支配者であり、その正体は巨大な心臓のような姿をしています。普段はゴルゴム神殿の奥深くに潜み、テレパシーを通じて配下の三神官やシャドームーン、時には仮面ライダーBLACKこと南光太郎と交信し、自らの意思を伝えます。
登場作品 | 仮面ライダーBLACK |
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初登場話 | 第50話『創世王の正体は?』(1988年10月2日放送) |
所属組織 | ゴルゴム |
モチーフ | 不明 |
能力 | テレパシーで会話をする、地球を破壊するほどのパワーを宿す、雷のような破壊光線 |
声優 | 渡部猛 |
その他 | ゴルゴムの支配者 |
コウモリ怪人
引用元:仮面ライダー公式サイト
コウモリ怪人は、暗黒結社「ゴルゴム」が生み出した怪人で、コウモリの特性を備えています。偵察や情報収集、要人の誘拐などを主な任務としており、物語の序盤から終盤まで登場します。コウモリ怪人の最大の特徴は、両腕にある被膜を使って自在に空を飛ぶ能力です。この能力は非常に高く、大気圏を越えて宇宙空間でも活動できるほどです。この飛行能力を活かし、偵察任務や情報伝達、敵地への潜入など、様々な任務を遂行しました。
登場作品 | 仮面ライダーBLACK |
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初登場話 | 第1話『BLACK!! 変身』(1987年10月4日放送) |
所属組織 | ゴルゴム |
モチーフ | コウモリ |
能力 | 飛行能力、優れた偵察能力、目から放つ光線 |
仮面ライダーBLACK RX:1988~1989年
引用元:仮面ライダー公式サイト
『仮面ライダーBLACK RX』(1988年10月23日 – 1989年9月24日放送)に登場するのは、宇宙征服を企むクライシス帝国が生み出した怪魔戦士たちです。異世界から来た侵略者という設定で、デザインもより異質でSF的な要素が強くなっています。
クライシス皇帝
引用元:仮面ライダー公式サイト
クライシス皇帝は、1000年前に怪魔界を征服し、「クライシス帝国」を築き上げた支配者です。厳しい身分制度を敷き、絶対的な存在として君臨していましたが、その姿を見た者はいませんでした。クライシス皇帝は、最終決戦でその全容を現します。それは額に3つの顔を持つ巨大なオブジェのような頭部から、コードのような無数の触手が伸びているという奇怪な姿でした。
登場作品 | 仮面ライダーBLACK RX |
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初登場話 | 第46話『ライダーの総突撃』(1989年9月17日放送) |
所属組織 | クライシス帝国 |
モチーフ | 不明 |
能力 | 無数の触手、口から放つ破壊光弾、目から放つ念力光線、顔から放つ破壊光線 |
声優 | 納谷悟朗 |
その他 | クライシス帝国の支配者 |
キューブリカン
引用元:仮面ライダー公式サイト
キューブリカンは、クライシス帝国の地球攻撃兵団に所属する、怪魔ロボット大隊の戦闘用ロボットです。ガテゾーンが率いるこの部隊の中でも、キューブリカンは特に怪力と重武装を誇ります。キューブリカンの最大の特徴は、人間の大人程度であれば片手で軽々と持ち上げて投げ飛ばすほどの怪力です。この腕力に加え、右腕にはレーザー砲を備え、遠距離攻撃も可能です。さらに、左手の指はすべて鋭く尖ったナイフのようになっており、近接戦闘でも威力を発揮します。
登場作品 | 仮面ライダーBLACK RX |
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初登場話 | 第2話『光を浴びて!RX』(1988年10月30日放送) |
所属組織 | クライシス帝国 |
モチーフ | ロボット |
能力 | 第2形態への移行、位置補足とデータ分析を行う照準器、ビーム砲 |
声優 | 岸野一彦 |
怪人デザインの変遷 – 時代ごとの特徴
昭和ライダーの怪人デザインは、特撮技術の進化や時代の流行を反映し、大きく3つの時期に分けられます。それぞれの時代で、怪人たちの姿は変化し、子供たちの記憶に刻まれていきました。
昭和ライダー怪人デザインの基本 – 「改造人間」
引用元:仮面ライダー公式サイト
昭和ライダーの怪人デザインの根底にあるのは、「改造人間」という設定です。悪の組織によって人間が改造され、恐ろしい怪人へと変貌するという物語の構図は、怪人デザインに大きな影響を与えました。
- 人間ベース: 多くの怪人は、人間の体型や骨格をベースにデザインされています。これは、怪人が元人間であることを視覚的に表現するためです。
- 生物モチーフ: 動物、昆虫、植物など、身近な生物がモチーフとして多く用いられました。モチーフとなった生物の特徴的な部分(爪、牙、羽、触覚など)が、怪人のデザインに取り入れられました。
- グロテスク表現: 改造によって異形化した姿は、子供たちに恐怖を与える要素として、グロテスクに表現されることがありました。傷跡、異質な皮膚、突出した器官などが、怪人の不気味さを強調しました。
これらの要素が組み合わさることで、昭和ライダーの怪人は、子供たちにとって「恐ろしくもどこか気になる」存在として、強い印象を与えたのです。
初期(1号~V3) – シンプルながらも強烈なインパクト
引用元:仮面ライダー公式サイト
ショッカーやデストロンといった初期の悪の組織の怪人は、比較的シンプルなデザインが特徴です。
- シンプルなデザイン
- 1種類の生物をモチーフ
- モチーフの特徴を誇張
- 能力が分かりやすい
動物や昆虫など、1種類の生物をモチーフにしているものが多く、モチーフとなった生物の特徴を誇張したデザインが多く、能力も分かりやすいものが多かったです。
例えば、コブラ男はコブラの頭部と胴体を持ち、毒牙や毒液を武器とします。蜂女は蜂の複眼や針を持ち、飛行能力や毒針攻撃を行います。カメバズーカは亀の甲羅にバズーカ砲を搭載し、強力な砲撃を行います。
このように、モチーフの持つ特徴がストレートに表現されているのが初期怪人の特徴です。
この時期の怪人たちは、 後のシリーズに登場する怪人の原型とも言える存在で、 まさに「怪人」という言葉のイメージを形作ったと言えるでしょう。
当時の特撮技術では、着ぐるみの制作が中心だったため、シンプルなデザインが主流でしたが、その分、生物の特徴を誇張したデザインは、子供たちの目に強烈に焼き付きました。
キーワードは「シンプル」「生物モチーフ」「着ぐるみ」「原点回帰」です。
中期(X~ストロンガー) – 多様なモチーフと個性的なデザイン
引用元:仮面ライダー公式サイト
この時期の怪人たちは、多様性と個性が爆発しました!
ギリシャ神話や古代文明、アマゾンの奥地、昆虫など、モチーフの幅が一気に広がり、複数の生物を組み合わせた怪人や、神話や伝説をモチーフにした怪人も登場しました。
デザインもより個性的になり、怪人の持つ能力もより特殊なものが増えていきます。
特撮技術の進歩により、怪人の表現力が向上したのもこの時期です。
特殊メイクやギミックが導入され、よりリアルで迫力のある怪人が作られました。
子供たちの想像力をかき立てる、バラエティ豊かな怪人たちの登場は、昭和ライダーシリーズをさらに盛り上げました。
キーワードは「多様性」「個性」「異形化」「神話」「奇抜」です。
後期(スカイライダー~BLACK RX) – 機械要素とグロテスク表現の強調
引用元:仮面ライダー公式サイト
後期になると、怪人たちは更なる進化を遂げます!
機械的な要素や宇宙生物の要素が強まり、デザインもより複雑化していきます。
特に、BLACKやBLACKRXでは、生物的なグロテスクさが強調され、よりダークな世界観が表現されました。
メカニカルな要素を取り入れたことで、怪人の能力もより多彩になり、特撮技術の進歩と相まって、迫力のある描写が可能になりました。
一方で、初期に見られたシンプルな生物モチーフへの原点回帰も見られ、新機軸との融合が図られました。
キーワードは「メカニック」「グロテスク」「ダーク」「原点回帰」「SF」です。
まとめ
夕焼け空の下、テレビにかじりついて夢中で見ていたあの頃…。仮面ライダーと、彼らに挑む個性豊かな怪人たち。昭和ライダーの怪人たちは、子供たちの想像力を刺激し、後の特撮文化に大きな影響を与えました。多様なモチーフを組み合わせた奇抜なデザインは、時代とともに変化し、私たち50代の心を今も熱くさせてくれます。昭和ライダーと怪人たちは、いつまでも私たちの心の中で輝き続ける、かけがえのない宝物なのです。
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